飼い猫のためのガイド · 01

猫の体調不良のサイン:見逃したくない変化と受診の目安

猫は具合の悪さを隠す動物です。食欲、おしっこ、呼吸、姿勢や行動の変化など、見逃したくない体調不良のサインと、すぐに動物病院へ行くべき目安を説明します。

Miauly · 2026年10月17日公開 · 2026年10月17日更新

猫は、体調不良を隠す動物だといわれています。具合が悪くても、いつもどおりにふるまおうとします。そのため、飼い主が気づいたときには、病気がかなり進んでいることもあります。

この記事では、猫の体調不良に早く気づくためのポイントと、すぐに動物病院へ行くべき目安を説明します。

いつもの様子を知っておく

体調の変化に気づくために、いちばん役に立つのは、飼い主がふだんの様子を知っていることです。どれくらい食べるのか、どこで寝るのが好きか、トイレには一日何回行くのか、帰宅したときに出迎えてくれるか。こうした「いつも」を知っていれば、小さな変化にも気づけます。

一日だけ様子が違っても、すぐに病気とは限りません。でも、変化が何日も続く場合や、いくつもの変化が重なる場合は、注意が必要です。

食欲と体重

食べる量が減った。 食欲の低下は、さまざまな病気のサインになります。成猫は、36時間以上何も食べないと、脂肪肝(肝リピドーシス)になる危険があります。子猫は、半日から1日食べないだけで低血糖になるおそれがあります。

食べる量が減った状態が3日以上続くときも、受診を考えましょう。元気がない、吐く、下痢をしているといった症状が一緒にあるなら、早めに受診してください。

食べにくそうにしている。 食べたそうにしているのに口からこぼす、片側だけでかむ、といった様子は、口の中の痛みのサインかもしれません。

体重が減った。 1か月で体重の5%以上減っている場合は、何かの病気が隠れている可能性があります。ふだんから体重を量っておくと、変化に気づきやすくなります。食事については猫には何を食べさせればいい?もご覧ください。

水をたくさん飲む。 水は飲むのに食べない、急に水を飲む量やおしっこの量が増えた、という場合は、腎臓の病気などが関係していることがあります。

トイレの様子

トイレは、健康状態がよく分かる場所です。次のような変化に注意しましょう。

  • トイレに何度も行くのに、おしっこが少ししか出ない。
  • おしっこの色が赤い、濁っている、においがいつもより強い。
  • トイレ以外の場所でおしっこやうんちをする。
  • 下痢や便秘が続いている。
  • 排せつのときに鳴く。

特にオス猫は尿道が細く長いため、結晶などが詰まって、おしっこが出なくなることがあります。これを「尿道閉塞」といい、放っておくと腎臓に大きな影響が出て、命にかかわることもあります。半日以上おしっこが出ていないときは、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

トイレをいつも清潔にしておくと、変化に気づきやすくなります。トイレの整え方は毎日の猫のお手入れで説明しています。

呼吸、咳、くしゃみ

ゼーゼーと音がする呼吸、苦しそうな呼吸、口を開けて息をしている、といった様子があれば、早めの受診が必要です。

咳やくしゃみ、鼻水が増えたときも、様子を記録しておきましょう。動画を撮っておくと、病院で説明しやすくなります。

姿勢、動き、行動の変化

体の痛みや不調は、姿勢や行動にも表れます。

  • 高いところに上らなくなった、ジャンプをためらう。
  • 足を引きずる、歩き方がぎこちない。
  • 物陰に隠れて出てこない。
  • 触られるのをいやがる、急に怒るようになった。
  • 毛づくろいをしなくなり、毛並みが乱れている。
  • 逆に、同じ場所ばかりなめ続けている。
  • 遊ぶ時間なのに、寝てばかりいる。

年をとった猫が動かなくなると、「年のせいかな」と思いがちです。でも、関節の痛みなど、治療で楽になる病気が隠れていることもあります。しぐさから猫の気持ちを読み取る方法は、猫の行動と気持ちで紹介しています。

すぐに動物病院へ行くべきとき

次のようなときは、様子を見ずに、すぐに動物病院に連絡してください。夜間や休日は、夜間救急の動物病院を探しましょう。

  • 呼吸が苦しそう、口を開けて息をしている。
  • おしっこが出ていない(特にオス猫)。
  • 何度も吐く、ぐったりしている。
  • けいれんを起こした。
  • 立てない、歩けない。
  • 事故にあった、大きなケガをしている。
  • 何か毒になるものを食べたかもしれない。

迷ったら、まずは電話で相談してみましょう。

病院で役立つ情報

猫は言葉で症状を伝えられません。だからこそ、飼い主の観察がとても大切です。受診するときは、次のことをメモしておきましょう。

  • いつから、どんな変化があったか。
  • 食べる量、飲む量の変化。
  • うんちやおしっこの回数、色、量。
  • 吐いた回数と、吐いたものの様子。
  • 最近の生活の変化(引っ越し、新しい家族、フードの変更など)。

吐いている様子や歩き方などは、動画に撮っておくと役に立ちます。病院では緊張して、ふだんと違う様子になる猫も多いからです。

定期的な健康診断も、病気の早期発見に役立ちます。くわしくは猫の予防ケアをご覧ください。

よくある質問

猫が何日ごはんを食べなかったら危ないですか?

成猫は36時間以上食べないと、脂肪肝になる危険があります。子猫は半日から1日で低血糖になるおそれがあります。早めに受診してください。

オス猫がトイレに何度も行くのにおしっこが出ません。

尿道が詰まっている可能性があります。命にかかわることもあるので、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

猫がゴロゴロ鳴いていれば、元気だと考えていいですか?

ゴロゴロは多くの場合リラックスのサインですが、それだけで健康だとは言えません。食欲やトイレなど、ほかの様子もあわせて見てください。