飼い猫のためのガイド · 05

猫の毛色と模様:キジトラ・茶トラ・三毛・サビの見分け方

キジトラ、茶トラ、ハチワレ、三毛、サビ、ポイントカラー。猫の毛色と模様の種類と見分け方、三毛猫がほとんどメスである理由など、毛色の仕組みを分かりやすく説明します。

Miauly · 2026年10月17日公開 · 2026年10月17日更新

キジトラ、茶トラ、ハチワレ、三毛。日本には、猫の毛色や模様を表す言葉がたくさんあります。一見ばらばらに見える猫の毛色ですが、その裏には分かりやすい仕組みがあります。

この記事では、よく見かける毛色と模様の種類と、その見分け方を紹介します。三毛猫がほとんどメスである理由や、自分の猫の毛色を分かりやすく伝えるコツも説明します。

毛は三つのポイントで見る

猫の被毛は、次の三つに分けて考えると整理しやすくなります。

  1. 毛の長さ: 短毛か、長毛か。
  2. 模様(毛柄): しま模様、ぶち、単色、白が入るかどうか。
  3. 毛色: 黒、茶(オレンジ)、白、そしてそれらの薄い色。

この三つは、それぞれ別の特徴です。たとえば、しま模様の猫でも、茶色の猫もいれば、グレーの猫もいます。

基本の毛色

猫の毛色は、大きく分けて黒系と茶(オレンジ)系の二つの色素からできています。

  • 黒: 真っ黒な黒猫のほか、チョコレートのような茶色系の色もあります。
  • 茶(オレンジ): 薄いクリーム色から、濃いオレンジまであります。茶トラの猫の色です。
  • 薄い色(ダイリュート): 色素の入り方が変わる遺伝子によって、色が薄くなったものです。黒はグレー(ブルー)に、茶はクリーム色になります。
  • 白: 色というより、色素がない状態です。

しま模様(タビー)の猫

しま模様は、猫の模様の中でもいちばん身近なものです。日本では、色によって次のように呼ばれることが多いです。

呼び名見た目
キジトラ茶色がかった地に、黒っぽいしま模様
サバトラグレーがかった地に、黒っぽいしま模様
茶トラオレンジの地に、濃いオレンジのしま模様

しまの形にも違いがあります。細いしまが平行に並ぶもの、渦を巻くような太いしまのもの、しまが点のように途切れたものなどです。多くのしま模様の猫には、額に「M」のような模様があります。ただ、しまの形を正確に見分けるのは、専門家でも難しいことがあります。

三毛猫とサビ猫

三毛猫は、白、黒、茶の三色がまじった猫です。サビ猫(べっ甲)は、黒と茶がまだらにまじった猫です。

この二つには、面白い共通点があります。どちらも、ほとんどがメスなのです。

その理由は、毛色の遺伝子にあります。黒と茶の毛色の遺伝子は、X染色体の上にあります。メスはX染色体を2本、オスは1本持っています。

メスの体では、細胞ごとに2本のX染色体のどちらか一方の働きが止まります。どちらが止まるかは偶然で決まります。そのため、黒の遺伝子が働く部分と、茶の遺伝子が働く部分がまだらになり、三毛やサビの模様が生まれます。模様が一匹ずつ違うのは、このためです。

オスはふつうX染色体を1本しか持たないので、黒と茶の両方を持つことができません。ごくまれに、XXYという特殊な染色体の組み合わせを持つオスが生まれ、三毛のオスになります。三毛猫のオスが珍しいといわれるのは、このためです。

ポイントカラー

ポイントカラーは、体の色が明るく、顔、耳、足先、しっぽだけが濃い色になる模様です。シャムやバーマンなどで見られます。

この模様は、温度によって働きが変わる遺伝子によって生まれます。体の中でも温度の低い部分ほど色が濃くなるため、体の先のほうが濃い色になるのです。子猫のころは全体が白っぽく、成長とともに色がはっきりしてきます。

白が入る模様

体の一部に白が入る猫もたくさんいます。

  • 白黒・ハチワレ: 黒と白の猫。顔の白い部分が「八」の字のように分かれているものを、ハチワレと呼びます。
  • バイカラー: 一つの色と白の二色の猫。
  • タキシード: 黒い体に、胸元や足先が白い猫。蝶ネクタイを付けたように見えます。

白の入り方は、足先だけの「靴下」から、ほとんど白い体に少しだけ色が入るものまで、さまざまです。

毛の長さとお手入れ

毛の長さは、お手入れの手間に大きく関わります。短毛の猫は毎日ブラッシングをしなくても大丈夫なことが多いですが、長毛の猫は毛玉ができやすく、毎日のブラッシングが理想です。くわしくは毎日の猫のお手入れをご覧ください。

毛色と性格

「茶トラのオスは甘えん坊」「三毛猫は気が強い」といった話を聞いたことがあるかもしれません。楽しい話ですが、猫の性格は、子猫のころの経験や育った環境など、さまざまなことの影響を受けます。性格で猫を選びたいときは、毛色ではなく、その猫自身をよく見ましょう。品種と性格の関係については猫種を知るで説明しています。

毛色を正しく伝えるコツ

猫が迷子になったとき、毛色や模様を正しく伝えられると、見つけてもらえる可能性が高くなります。「茶色の猫」よりも、「茶トラで、胸と足先が白く、しっぽが短い」のほうが、ずっと分かりやすいです。

しっぽの形、鼻の色、一本だけ白い足など、その猫ならではの特徴もメモしておきましょう。写真は顔、体の左右、しっぽ、上からの姿を撮っておきます。照明の下では色が変わって見えるので、できれば明るい自然光の中で撮影しましょう。

よくある質問

三毛猫のオスは、本当にいるのですか?

とてもまれですが、います。XXYという特殊な染色体の組み合わせを持つオスです。

キジトラとサバトラの違いは何ですか?

どちらもしま模様ですが、キジトラは茶色がかった地、サバトラはグレーがかった地をしています。

シャムの子猫が白っぽいのはなぜですか?

ポイントカラーの遺伝子は温度によって働きが変わります。成長するにつれて、体の先のほうの色が濃くなっていきます。