猫の健康を守るためには、病気になってから治すだけでなく、病気を防ぐことが大切です。健康診断、ワクチン、寄生虫対策、歯のケア。どれも、少しの手間で大きな病気を防ぐことにつながります。
この記事では、子猫からシニアまで、飼い主が知っておきたい予防ケアの基本を説明します。
定期的な健康診断
猫は体調不良を隠す動物です。見た目は元気でも、体の中で病気が進んでいることがあります。定期的に健康診断を受けると、病気を早く見つけやすくなります。
健康診断の頻度の目安は、次のとおりです。
| 年齢 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 0〜6歳ごろ | 年1回 |
| 7歳以降(シニア期) | 年2回が理想 |
健康診断では、問診、体重や体温の測定、聴診や触診のほか、血液検査や尿検査、便検査などを行います。7歳以上の猫では、甲状腺の検査が案内されることもあります。どの検査が必要かは、かかりつけの獣医師と相談しましょう。
病院に行く前に、気になることをメモしておくと、診察の時間を有効に使えます。
ワクチン
ワクチンは、命にかかわる感染症から猫を守ります。すべての猫に接種が勧められている「コアワクチン」は、次の三つの病気を防ぐものです。
- 猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症): くしゃみや鼻水など、かぜに似た症状が出ます。
- 猫カリシウイルス感染症: これもかぜに似た症状が出ます。
- 猫汎白血球減少症: 命にかかわることもある病気です。
この三つを含むワクチンが「3種混合ワクチン」です。猫白血病ウイルス感染症などを加えた4種や5種のワクチンもあり、生活環境に合わせて選びます。
子猫のワクチン: 母猫からもらった抗体が残っている間は、ワクチンが効きにくいとされています。そのため、生後2〜3か月ごろから、2〜3回接種するのが一般的です。
大人の猫: 日本では、コアワクチンを1年に1回接種するのが一般的です。一方、海外のガイドラインでは3年に1回を勧めているものもあります。猫の生活環境に合わせて、獣医師と相談して決めましょう。
室内飼いでも必要? 感染症のウイルスは、飼い主の靴や服について家の中に入ってくることがあります。とても感染力の強い病気もあるため、室内飼いの猫にも接種が勧められています。
ノミ・マダニ対策
ノミやマダニは、かゆみや皮膚炎を起こすだけでなく、病気を運ぶこともあります。日本では、マダニが運ぶSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気が、猫にも人にも問題になっています。
外に出る猫はもちろん、室内飼いの猫でも、人や同居の動物がノミを持ち込むことがあります。どの薬を、どのくらいの間隔で使うかは、猫の生活に合わせて獣医師と相談しましょう。
猫の体にマダニがついているのを見つけても、無理に引き抜かないでください。皮膚に口の部分が残ってしまうことがあります。動物病院で取ってもらいましょう。
歯のケア
食べかすはやがて歯垢になり、1週間以内に歯石に変わるといわれています。歯石がたまると歯周病につながります。アニコム損保の分析では、口の中にトラブルがある猫は、健康な猫に比べて、翌年に病気にかかる割合が高かったと報告されています。
歯磨きは毎日が理想で、難しくても2〜3日に1回を目安にしましょう。いきなり歯ブラシを使うのではなく、口のまわりを触ることから少しずつ慣らします。人間用の歯磨き粉は使わず、猫用のものを選んでください。慣らし方は毎日の猫のお手入れでくわしく説明しています。
すでについてしまった歯石は、家では取れません。動物病院で、全身麻酔をかけて取り除く必要があります。
避妊・去勢手術
避妊・去勢手術には、望まない妊娠を防ぐだけでなく、病気を防ぐ効果もあります。メス猫では、子宮や卵巣の病気を防ぎ、乳腺腫瘍のリスクも低くなるといわれています。
メス猫の手術は、生後6〜8か月ごろが適当な時期とされています。メス猫の最初の発情は生後半年から10か月ごろに来ることが多いですが、それより早いこともあります。手術の時期は、獣医師と相談して決めましょう。
マイクロチップ
迷子になったとき、マイクロチップがあれば、飼い主のもとに戻れる可能性が高くなります。2022年6月から、ペットショップやブリーダーが販売する犬や猫には、マイクロチップの装着が義務になりました。
マイクロチップの入った猫を迎えたら、登録情報を自分の名前や住所に変更する必要があります。引っ越しや電話番号の変更があったときも、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」で手続きをしましょう。
1年の予防ケアのチェックリスト
- 年1回(シニアは年2回): 健康診断
- 獣医師と決めた間隔で: ワクチン
- 獣医師と決めた間隔で: ノミ・マダニ対策
- 毎日〜2、3日に1回: 歯磨き
- こまめに: 体重測定
- 引っ越しのとき: マイクロチップの登録情報の変更
体調の変化に気づくためのポイントは、猫の体調不良のサインにまとめています。
よくある質問
室内飼いの猫にもワクチンは必要ですか?
はい。ウイルスが飼い主の靴や服について、家に入ってくることがあります。室内飼いでも接種が勧められています。
猫の健康診断は、どのくらいの頻度で受ければいいですか?
6歳ごろまでは年1回、7歳以降は年2回が目安です。かかりつけの獣医師と相談しましょう。
人間用の歯磨き粉を使ってもいいですか?
使わないでください。猫用の歯磨き用品を選びましょう。
出典と編集注記
- アニコム損保 — 猫のワクチン、接種したほうがいい理由
- アイペット損保 — 猫の健康診断って何をするの?内容・費用・頻度などを解説
- アニコム損保 — 猫の歯磨きのやり方、歯周病や歯石を予防するために正しい方法で!
- 環境省 — 犬と猫のマイクロチップ情報登録について
Miaulyが上記の出典をもとに作成し、2026年10月17日に内容を確認しました。